「文化芸術俱楽部 たしなみ」を 立ち上げたきっかけ
「文化芸術俱楽部 たしなみ」を
立ち上げたきっかけについて
お話させていただきます。
令和5年文化庁が
“生まれ育った京都”に移転された年
「文化芸術俱楽部 たしなみ」は誕生しました。
なぜ、わたしが
「文芸俱楽部 たしなみ」を立ち上げたのか…
それは
私の中にあるストーリーを
紐解いていくと
“ ひとつの宝石箱 ” から
はじまりました。
さかのぼること
四十数年前
たしか6歳か、7歳のとき
父が旅行のお土産に買ってきてくれた
“ 螺鈿の宝石箱 ”
父は出掛けると末っ子の私に
おもちゃやご当地の食べ物
アクセサリーなどのお土産を買ってきてくれる
優しい父でした。
たくさんもらった中のひとつ
“螺鈿の宝石箱”
子供ながらに
その宝石箱をながめ
オーロラのような輝き
なめらかな質感
醸し出す繊細さ
その美しさに当時の私は
魅了されました。
もちろん今でも
大切にしています。
螺鈿が好きになった私は
旅先や偶然出会いで
気に入ったものを
集めるように…
振り返ると
そこに「文芸俱楽部 たしなみ」の
原点がありました。
ー 螺鈿(らでん)とは ー
海で貝の内側が七色に
輝いている様子を
見たことがある人も
多いと思いますが
その貝殻の内側にある、
虹色に輝く美しい部分を薄く磨き
柄や模様を装飾表現し
漆器の表面や木地などに
はめ込む技法が螺鈿と呼ばれています。
工芸品をはじめ
茶道具、着物
食器、アクセサリーなど
様々なものに装飾されています。
主に夜光貝や白蝶貝
黒蝶貝、アワビ、アコヤガイなどの
美しい貝を使い
宝石のような美しさに仕上げた
芸術品とも言われるもので
歴史も古く
正倉院の楽器や
平泉中尊寺金色堂にも
螺鈿が使われています。
ちなみに
螺鈿の漢字
「螺」は「貝」を
「鈿」は「装飾」を意味するそうです。
現在の私のライフワークでもある
美術芸術鑑賞。
絵画、アートを観に美術館へ出かけたり
伝統工芸の手仕事を体験したり
茶道や習字を習ったり
気がつけば暮らしの中にあった文化芸術。
暮らしを豊かにする
文化芸術好きへとつながり
今に至っています。
今の私が美術館で作品を鑑賞するとき
それは
幼い頃の私が螺鈿の宝石箱に魅了されたときと
同じ気持ちなのかもしれません。
次回の記事では
私が思う
「文化芸術の大切さ」を
綴っていきたいと思います。
どうぞお楽しみに。